無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
つくづく思うけど、わたしの周りにいる男はなんでこうも厄介な人たちばかりなんだろう。
夏向といい、黒瀬先輩といい。
「この状況でまさか俺が何もしないでかえすと思う?」
「……それはわたしにはわかんないです」
「へー。ずいぶん冷静だね。何されるかわかんないのに」
「抵抗するほうが身の危険を感じるんで」
逃げ出そうとしたら何をしてくるかわかんないし。
「よくわかってんじゃん。賢いね冬花ちゃん」
「ここで褒められてもうれしくないです」
すると、ホームルーム開始のチャイムが鳴ってしまった。
これでわたしは完全に遅刻扱いになってしまう。
「じゃあ、そんな賢い冬花ちゃんに選択肢をあげるよ」
「……?」
「今すぐここから出たかったら俺と付き合うってのはどう?」
「だから、付き合えないって言ってるじゃないですか」