無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



グダッと身体の力が抜けて夏向にすべてをあずける。



「んで、何があったの?
早く言わないとまたキスするよ?」


「ちょっ、まって……い、言うから……」



これ以上暴走されたら、こっちの身が持たない。



「うん、じゃあ早く言って」


「バレンタイン……、夏向はいやなんでしょ?」


「……は、なんで?」




「だって、今日学校サボったのもバレンタインが面倒だからでしょ……。せ、せっかくわたしがんばってチョコ作ってきたのに……、それなのに面倒だって言われたら、温度差感じて悲しくなって……」



やだ、ぜったいこれ以上泣きたくない。

グッと泣きそうになるのをこらえる。




「……それで様子おかしかったの?」


「そ、うだよ…」



「へー、可愛いじゃん。
俺のためにチョコ作ってくれたの?」



抱きしめる力を緩められて、顔を覗き込まれると、表情は嬉しそうに笑っている。

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