無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「バレンタインが嫌いなのはたしかだけど。
彼女からもらえるんだったらいやなわけないじゃん」


「……へっ?」



「冬花はもっと自覚持って
俺こんなに冬花でいっぱいなんだよ。他の子なんてどーでもいいんだよ」



「わたしだって、夏向でいっぱいだもん…」



恥ずかしさをごまかすために、ギュウッと夏向の身体に抱きつく。




「バレンタインだって、ほんとは冬花からもらえるか期待してたんだよ」


「え…そうなの…?」



「そりゃーね。だから家に呼んだのに。
それなのに不安そうな顔して泣き出して、帰るっていうから」



「だって、その前に夏向がバレンタイン面倒だっていうから……」



「それは冬花以外の子のこと言ってるだけ。
ねー、それより早く俺にチョコちょーだいよ」



いったん身体を離してもらい、カバンの中に入っているチョコを夏向に渡した。

< 325 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop