無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「ほ、他の子みたいに上手じゃないから」
「別に他の子なんてどーでもいいし。
冬花からもらえるから嬉しいんだよ」
ベッドに座って、ラッピングのリボンを解いて。
「へー、トリュフ作ったんだ」
「甘さ控えめにしたんだよ」
すると、夏向がこれまでに見せたことないくらいの笑顔で。
「うれしいよ、ありがと。
お返しちゃんとしないとね」
夏向は何もわかってない。
その反則級の笑顔が、わたしをどれだけ夢中にさせるのか。
「ホワイトデー、忘れないでね?」
「ふっ、忘れないよ。
それか今お返しあげよーか」
片方の口角を上げて、ニッと笑いながら、
ふわっとチョコの香りをさせながら落ちてきたキスは
ほんのり苦い、チョコの味がした。