夕闇の時計店

-軟派な友-

☆episode1☆
-軟派な友-


「……!……っ!」

足をバタつかせると、男の頬に一発当たった。

「てめぇ……!大人しくしろ!」

男の姿が鬼に変わった。

「!?」

もう一人の男は私の口を一層と強く塞ぐ。

何とかして逃げないと……!

緋瀬さん……!


一刻ほど前……

「すごいすごい!」

「おい、あまりはしゃぎすぎるなよ」

橙色の明かりが輝く。

人の姿も、獣も、鬼も、楽しそうに行き交う夜道にやってきた。
< 38 / 62 >

この作品をシェア

pagetop