ほわいとちょこれーと!─幼馴染みと恋するホワイトデー
 部屋に入ると千早は、

「瑚子の部屋久しぶりだなぁ。うゎ、なんか前と雰囲気違くね?」

と辺りを見回す。


くるくると部屋中見たあと、千早は床に腰を下ろした。


「なぁ、瑚子」


 千早が私を呼ぶ。


「俺のこと分かんない、ってのはどういうこと?」


 千早はこちらを真っ直ぐ見つめる。

 少し茶色い瞳がきりりと向ける眼差しは逸らすことを許さないようだ。


「俺も瑚子のことは分かんないよ。クッキーやるって言ってんのに逃げるしさ、訳分かんねーし。


 でも、それ以上に知ってることもいっぱいあるし。


 おやつは和菓子より洋菓子派で、焼菓子も好きだけどホントはチョコに目がないこととか、公園のジャングルジムに上るのは怖いくせにプールのジャンボウォータースライダーは平気なこととか、仕切ってくれる人がいればそれに付いてくけど、こども合宿みたいな子供ばっかのとこでは結構面倒見良くて頼りになることとか。


おんなじように瑚子も俺のこと、瑚子しか知らないこともあんだろ?」


 千早が手を伸ばし私の右手を握った。


「そういうのじゃダメ?」


 私は千早の綺麗な瞳に映されて、無意識に頷いた。
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