転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ

「最近、あなたがよく来てくれるから、楽しみが増えたわ」

　そう言う皇妃の表情は、以前と比較するとだいぶ明るくなってきたみたいだ。顔色も明らかによくなっている。

（リヒャルト様が、こっちに来ることが増えたからかな？）

　今まではめんどうだからと、太陽宮の中にある執務室の隣の仮眠室で寝泊まりしていたリヒャルトも、今ではほぼ毎日きちんとこちらに戻ってきているそうだ。

「卵が……甘い……！　びっくりした……！」

　卵はどうしようかと思って、甘い卵焼きにした。セスは甘いと予想していなかったみたいで、目が丸くなっている。

「甘い卵焼きって、ミナホ国ではご馳走なんですって。あちらでは砂糖がとても貴重だという話だわ」

「あ、そうなんですね！」

　小学校の時、運動会のお弁当はいつも甘い卵焼きだった。そのことを思い出しながら、作ったからつい甘い卵焼きにしてしまったけれど、今度は違う味付けにしてみよう。

「ヴィオラ、次は甘くないのも作ってやってくれ。俺はともかくセスが気の毒だ」

「リヒャルト様、俺だってびっくりしただけですよ！　甘い卵焼きもおいしいです！」