転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「よかったわ、元気そうで。今日はなんの御用かしら?」
「昨日、リヒャルト様に市場に連れて行ってもらったんです。このお城から出ることができないと思っていたから嬉しくて……それで、ミナホ国からの食材を扱っているお店を見つけたので、これを焼いてみたんです。もし、よかったら……味を見てはいただけませんか」
「……まあ」
皇妃はヴィオラが出した籠の中身を見て、目を見張った。
(これ、どら焼きじゃなかったらどうしよう……)
ヴィオラは、皇妃の視線にドキドキしながら、籠を彼女の方へと押しやる。豆のクリームをはさんだパンケーキ。たぶん、どら焼きのことで間違いないとは思うのだけど……。
「昔、お友達からいただいたお菓子と似ているわ!」
嬉しそうに両手を打ち合わせたかと思ったら、どら焼きに手を伸ばす。
「――皇妃陛下。失礼します」
けれど、側にいた侍女がさっとその籠を取り上げてしまった。
(あ、そうか……毒見しないとよね)
「俺が頼んだんだ。毒見は不要だろう」
「いえ、殿下。これも決まりですから」
「……ひとつ、ください」
ヴィオラは籠を持った侍女の方に手を伸ばす。彼女が無造作に取り上げたどら焼きを受け取ると、包んでいた紙をはがした。
「失礼しますね」
大きくひと口。遠慮なく齧る。
先ほどニイファと半分分けて食べたけど、こちらも上出来だ。すごく、おいしい。
「昨日、リヒャルト様に市場に連れて行ってもらったんです。このお城から出ることができないと思っていたから嬉しくて……それで、ミナホ国からの食材を扱っているお店を見つけたので、これを焼いてみたんです。もし、よかったら……味を見てはいただけませんか」
「……まあ」
皇妃はヴィオラが出した籠の中身を見て、目を見張った。
(これ、どら焼きじゃなかったらどうしよう……)
ヴィオラは、皇妃の視線にドキドキしながら、籠を彼女の方へと押しやる。豆のクリームをはさんだパンケーキ。たぶん、どら焼きのことで間違いないとは思うのだけど……。
「昔、お友達からいただいたお菓子と似ているわ!」
嬉しそうに両手を打ち合わせたかと思ったら、どら焼きに手を伸ばす。
「――皇妃陛下。失礼します」
けれど、側にいた侍女がさっとその籠を取り上げてしまった。
(あ、そうか……毒見しないとよね)
「俺が頼んだんだ。毒見は不要だろう」
「いえ、殿下。これも決まりですから」
「……ひとつ、ください」
ヴィオラは籠を持った侍女の方に手を伸ばす。彼女が無造作に取り上げたどら焼きを受け取ると、包んでいた紙をはがした。
「失礼しますね」
大きくひと口。遠慮なく齧る。
先ほどニイファと半分分けて食べたけど、こちらも上出来だ。すごく、おいしい。