転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「毒なんて入ってないですよ?」
「ヴィオラ、君を疑ってるわけでは」
にっこりとすると、リヒャルトが額に手を当てた。
「わかってますよ、そんなことくらい。私が作るんじゃなくて、こちらの厨房の人に作り方を教えた方がよかったですね……」
「いえ、ごめんなさいね。先日のポタージュの件もあるから、皆いつも以上に心配なのよ。私にもひとついただけるかしら」
皇妃が手を伸ばしたけれど、侍女は動かない。リヒャルトが立ち上がり、彼女の手から籠を取り上げた。
「俺が頼んだんだ。ヴィオラ姫は信用していい。あ、母上。母上はまだ駄目です」
ウキウキと籠に手を伸ばしかけた皇妃をリヒャルトはぴしゃりと遮った。それから自分が取り上げたどら焼きをかじって、眉間にしわを寄せる。
「これは……甘い……な……」
「甘すぎました? ニイファもちょっと苦手だって」
「砂糖を惜しげもなく使ってるんだろう。おいしいとは思うが、一個で十分だな」
リヒャルトが最後のひと切れを飲み込むのを待って、ようやく皇妃の番になった。
「ヴィオラ、君を疑ってるわけでは」
にっこりとすると、リヒャルトが額に手を当てた。
「わかってますよ、そんなことくらい。私が作るんじゃなくて、こちらの厨房の人に作り方を教えた方がよかったですね……」
「いえ、ごめんなさいね。先日のポタージュの件もあるから、皆いつも以上に心配なのよ。私にもひとついただけるかしら」
皇妃が手を伸ばしたけれど、侍女は動かない。リヒャルトが立ち上がり、彼女の手から籠を取り上げた。
「俺が頼んだんだ。ヴィオラ姫は信用していい。あ、母上。母上はまだ駄目です」
ウキウキと籠に手を伸ばしかけた皇妃をリヒャルトはぴしゃりと遮った。それから自分が取り上げたどら焼きをかじって、眉間にしわを寄せる。
「これは……甘い……な……」
「甘すぎました? ニイファもちょっと苦手だって」
「砂糖を惜しげもなく使ってるんだろう。おいしいとは思うが、一個で十分だな」
リヒャルトが最後のひと切れを飲み込むのを待って、ようやく皇妃の番になった。