氷雨逆巻く天つ風の夜に【完】
酒宴でひとしきり話に花を咲かせた後、如月がぽんと手を叩いてお開きを宣言した。
「今日は疲れただろうから早めに休むがいい。朧たちの部屋は…」
「如月姉様!私、姉様と一緒のお部屋で寝たいですっ」
えっと声を上げた氷雨は、本当に如月に愛玩されてしまうのかと顔を青ざめさせた。
だが如月はこくんと頷いただけで、朧の肩を抱いて廊下の奥の方の部屋を指した。
「じゃあ私の私室で一緒に寝るとしようか。姉妹積もる話も沢山あるだろうから眠らせないぞ」
「嬉しいっ。あ、氷雨さんは泉さんと一緒に寝て下さいね」
「お、おう」
これって新婚旅行じゃなかったっけ、と内心思いつつもまさかの姉妹同衾を避けることができた氷雨は、にこにこしている泉の肩をぽんと叩いた。
「じゃあ俺たちは俺たちで積もる話をしようぜ。如月がここに嫁いでからの話、俺あんまり知らないんだ」
「そうなんだね、じゃあ長くなるよ。僕の話聞くと如ちゃんを愛しく思っちゃうかもしれないからそれが心配だけど」
「大丈夫!俺には可愛い嫁さんが居るから!」
「僕のお嫁さんだって負けない位可愛いもんね!」
何故か張り合い合戦になってふたりでどすどす廊下を歩き、泉の私室に入るなりきょろりと見回した氷雨は、戸棚に隠されるようにして置いてあった酒を見つけてにやり。
「胃腸が弱いとか言ってなかったっけ?」
「いやあ、ははは、弱いんだけど僕こう見えても鬼族なんで酒は好きなんだよね」
「そこらへんの話も聞かせてもらおうじゃんか」
差し出された座布団に座ると、泉は氷雨に羽織を貸してやり、座椅子のひざ掛けに頬杖を突いた。
「どこから話そうかな」
「どっからでも」
すっかり仲良くなったふたりは、酒を飲み交わしながら昔話を始めた。
「今日は疲れただろうから早めに休むがいい。朧たちの部屋は…」
「如月姉様!私、姉様と一緒のお部屋で寝たいですっ」
えっと声を上げた氷雨は、本当に如月に愛玩されてしまうのかと顔を青ざめさせた。
だが如月はこくんと頷いただけで、朧の肩を抱いて廊下の奥の方の部屋を指した。
「じゃあ私の私室で一緒に寝るとしようか。姉妹積もる話も沢山あるだろうから眠らせないぞ」
「嬉しいっ。あ、氷雨さんは泉さんと一緒に寝て下さいね」
「お、おう」
これって新婚旅行じゃなかったっけ、と内心思いつつもまさかの姉妹同衾を避けることができた氷雨は、にこにこしている泉の肩をぽんと叩いた。
「じゃあ俺たちは俺たちで積もる話をしようぜ。如月がここに嫁いでからの話、俺あんまり知らないんだ」
「そうなんだね、じゃあ長くなるよ。僕の話聞くと如ちゃんを愛しく思っちゃうかもしれないからそれが心配だけど」
「大丈夫!俺には可愛い嫁さんが居るから!」
「僕のお嫁さんだって負けない位可愛いもんね!」
何故か張り合い合戦になってふたりでどすどす廊下を歩き、泉の私室に入るなりきょろりと見回した氷雨は、戸棚に隠されるようにして置いてあった酒を見つけてにやり。
「胃腸が弱いとか言ってなかったっけ?」
「いやあ、ははは、弱いんだけど僕こう見えても鬼族なんで酒は好きなんだよね」
「そこらへんの話も聞かせてもらおうじゃんか」
差し出された座布団に座ると、泉は氷雨に羽織を貸してやり、座椅子のひざ掛けに頬杖を突いた。
「どこから話そうかな」
「どっからでも」
すっかり仲良くなったふたりは、酒を飲み交わしながら昔話を始めた。