秀才男子は恋が苦手。
その予感通り、男達は衛藤亜衣の近くまで行くと、何やら話しかけているようだった。
それでも勉強を続ける衛藤亜衣のノートを無理やり取り上げている。
取り返そうと立ち上がり手を伸ばす衛藤亜衣。だが、男はそれをヒョイッとかわすと衛藤亜衣の肩を抱いた。
…はぁ。面倒くさい。
言っておくが俺は別に性格が良い方ではない。ボランティアなんて積極的に参加する柄でもない。
だけど、目の前で困っている知り合いを見すてるのも寝覚めが悪い。
…はぁ。仕方がないな。
「警察呼びますけど」
俺はマックの店内に入ると、チャラ男達に背後からそう声をかけた。
なんとか男たちを振り払おうと奮闘していた衛藤亜衣が、俺を見て大きく目を見開く。
「つつるん!?!?」
だからそれはやめろ。