悲しみの理由を忘れた少女
〜気まずい沈黙と笑い声〜

「ごめん、ありがとう。」

「いいよ。」

普段口数の少ない彼は、そう言って私の横を歩く。

私は、何を喋ればいいのか分からない。
どんな言葉を選んでも、大した話題ではなく話が続く気がしなかった。

みんなが見る私と、西条くんが見る私は違うから。
ここ最近で一気に変わってしまったはず。
だから余計に、どう話せばいいか分からない。

すると、急に私は名前を呼ばれた。

「はっ、はひぃ。」

私は、急に隣で名前を呼ばれ声が裏返ってしまった。

「ぶはっははは。」

隣でお腹を抱えて笑う西条くんを初めて見た。

始めは驚いた私だったが、ずっと笑い続ける西条くんにだんだん恥ずかしくなってきた。

「そんなに笑わなくてもいいじゃん。」

「ごめんごめん。」

笑い過ぎて涙が出てきたのかそれを拭う彼はやけにかっこよく見えた。
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