悲しみの理由を忘れた少女
〜メイドと執事〜

「由梨、どうかな?」

「歩美めっちゃ可愛い!すごい似合ってるよ。」

「「「本当、歩美ちゃん可愛い!」」」

文化祭当日。
私たちのクラスはただのカフェではつまらないときゅうきょ予定を変更してコスプレカフェとなった。

クラスにメイドカフェで働いている子がいて、そこから借りてきた服を私は今着ている。

みんなが全員一致で私が着るべきと。
そして今に至ります。

「メイド服って結構恥ずかしいね。」

私はそう言いながら服のリボンを指に絡めたり、引っ張ったりした。

「あとは、執事が来たら完璧。」

「西条くん絶対似合うと思うんだよなぁ。」

そうメイドがいたら執事も必要。

そしてどうしてか、選ばれたのは西条くんだった。

そして着替えた西条くんが現れた。

「ウソ、予想以上に似合ってる。かっこいいんだけど。」

由梨が私の肩を叩きながらそう言った。

本当にかっこよかった。
少し長めの髪を固めて上に上げて、いつも見えないおでこが見えている。
そして背が高くすらっとしたスタイルに執事服が予想以上に似合っていた。

「かっこいい。」

そう口にすると、西条くんは少し照れながら
「城咲も似合ってる。可愛いよ。」
と言った。

私はその言葉で急に鼓動が速まった。
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