私だけの場所。




「あぁ、憂鬱……」



なんて、学校までの道を並んで歩きながらも昨日までの元気が嘘のように落ち込んでいる千夏に苦笑する。




「夏休みだよ?どうして、学校に行かなきゃ行けないのぉー!!由美、こうなったらバックレよう。今ならまだ間に合う。1日ぐらいサボっても分からないって!ね?ね、ね!」




「千夏……あんたの1日は2日、3日と伸びていくの知ってるからダメ。それに、今日が初日なんだよ?初日ぐらいまともに受けなきゃ。ね?そーれーに。立花君のお姉さんと旅行行くんでしょ?あれだけど、何か持って行った方がいいかな?」



「え、お世話になります。的な?ってか、それって必要?」



「いや、だってさぁー。キャンプって言っても……旅費?ガソリン代もいる訳だし、食事代もかかってくるでしょ?それをお世話になるんだから、茶菓子の一つや二つ……必要でしょ?」



「え、そこまで考えてんの?で、でもさぁー。さ、誘ってきたのは立花だし、私らがそこまでするひつようなくなくなくない?」



「どっちよ……でも、ほら、立花くんのお姉さん……お子さん連れてくるみたいだし……お菓子の一つや二つ……必要じゃない?ってか、子供が食べるお菓子ってなに?ビスケット?ウエハス?」




「いや、何歳の子よ……」



「……しらないよ?」



「……由美、普通にポテチでいいだろうよ……」




なんて行ってる間に学校についていて……学校に着いた途端諦めが着いたのか千夏は頑張ると張り切ってる。それを苦笑しながらも、千夏と別れて教室に向かう。




「おはよー。由美ちゃん!」



「幸恵ちゃん、おはよう!」



「こっちおいでよ!」




そう言って隣の席の席を叩く幸恵ちゃんに頷き隣に座る。





「夏休みの宿題はかどってる?」


「え、いや、全然。ってか、昨日の今日だからなんにも?」



「だよね。質問まちがえたって今痛いほど後悔してる。」




なんて、お互い笑ってれば私の前に影が出来て、前を向けば眠そうな立花くんが立っていた。




「はよ。」



「「おはよう!」」




幸恵ちゃんと同時に言ってお互い笑ってれば立花くんが前の席に座って振り返る。




「暑くね?」



「夏だもんね。」



「もっと他の答え方はねーの?」




「例えば?はい、幸恵ちゃん」




なんて、いきなり話を振るが、クーラーかかってないね。って答える幸恵ちゃん。それに、確かに。としたじきで仰ぐ。




「おまえらなぁ……先生が子供ん時はクーラーなんて言う機械は無く、クソ暑いなか、昔は子供が多く1クラス40人の教室で勉強してたんだぞ。」



なんて、学年主任の先生が話に入ってくる。いつもの昔話に私達は苦笑しながらも付き合ってると、冷房がかかる。




「はぁ、涼しいなぁ〜」



「そうですね。」




冷気がもろに当たる場所を陣取って呟く学年主任の先生に返事をした。




< 25 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop