私だけの場所。
「初めまして、神崎由美と申します。立花くんにはいつもお世話になっております。友達として不束者ですが、よろしくお願いします。」
「いや、なんの挨拶?」
前もって立花くんに聞いていた待ち合わせ場所に行けばもう、立花くん達はついていて……千夏と慌てて駆け寄り、荷物を乗せるために降りてきたお姉様にご挨拶をすれば、何がおかしいのか車の中で笑い始める立花くん。
そんな立花くんを叩くお姉さんに驚きながらも、つまらないものですが。と紙袋を渡す。
「いやだぁーー!!何このこ達!!可愛い子達じゃないの!え、君は何ちゃん?あ、私は須王楓(すおう かえで)結婚して名字は違うけど一応この憎たらしい男の姉。」
「佐藤千夏です!立花……くんにはとてもお世話になっております!」
「おい、佐藤。お前きもい。」
なんて、車の中から顔を出し千夏に言う立花くんに苦笑しながらも荷物をどうすればいいか聞けば、背後から腕が伸びてきて荷物を取られる。
「ったく、お前らは引越ししてきた人の挨拶かってほどなげーなぁ……」
「うっさいわねぇ!隼(はや)ちゃん!アンタは静かに運転してればいーの!!」
「あ?俺はお前の運転手がよ。」
なんて、聞いたことあるは声に振り返れば私服の渡辺先生が立ってて、千夏と顔を見合わせて2人して驚き先生を指さしてたら先生が頭をかいて苦笑する。
「大輝お前言ってなかったのか。ってか、人に指さしてはいけません。」
「あー。ごめんごめん。渡辺さん……いや、隼人さん。がなんにも言わなかったんで、2人になんも言ってませんけど?」
「マジでか……」
なんて、立花くんと、先生の会話を聴きながらも二人を交互に見ていたら先生が頭をかいて
「俺は、大輝の親戚で、大輝の姉とは同い年で幼なじみ。」
「え、えぇ!?先生とお姉様が同い年の幼なじみ!?まじで?冗談でしょ!?」
「えっと、千夏ちゃんだっけ?それはどー言う意味かな?」
なんて、にっこり笑うが圧力がある笑みのお姉様に少しビビりながらも
「だ、だってですね。先生とお姉さん……輝きが違いすぎるんですもん!!どっちかと言うと先生がおじさん。てきな?」
「……ほう、佐藤……おまえ追加で補習日増やすな。」
「マジ勘弁。」
そんな会話を聞いて笑ってれば車から小さい子が二人降りてきて私の腕を引っ張る。その子達に子孫を合わせるためにしゃがむと、双子なのか、可愛い男の子と女の子。
「す、須王優希(ゆうき)です。よ、よろしくお願いしますっ!」
「須王紅亜(べにあ)です。よろしくお願いします………」
「神崎由美です。よろしくね、優希くん、紅亜ちゃん。」
そう言って頭を撫でながらもポケットに入れていた飴玉をあげれば嬉しそうに微笑む。
「神崎……幼稚園か保育園の先生志望なの?」
なんて、車から聞いてくる立花くんに首を横に振りながらも……この2人のお姉さん希望かな?なんて微笑めば何故か二人に抱きつかれる。
そうしてればお姉さん、先生、千夏の会話が終わったのか車に乗り始める。私は双子ちゃんと手を繋いで車に乗り込み……双子ちゃんの可愛い掛け声とともに車が出発し始めたのだった。