隠れ蓑〜Another story〜


「、、先輩が幸せならいいんですけどね。でも実際はどうなんですか?先輩は今後どうしたいんですか?」

「仕事は続けたいの。それは圭くんも理解してくれたんだけど、、やっぱり私がここに立ち続けるのには反対みたい。理由は分からないけど、きっと、、、私には向いてないんだと思う。」

「そこはハッキリ理由言わないんですね、、あの人。まぁ、私は分かりますけど。」

「え、、?真美ちゃん、、分かるの、、?」







不安そうな表情を浮かべた先輩に慌てて言葉を掛けた。



「先輩っ!勘違いしないで下さいねっ!!!先輩は鈍感だから分からないだけで私が特別に分かるって訳じゃありませんからねっ!?あ!それなら山下先輩に聞いてみて下さい!多分おんなじ事言うと思います。」

「、、真美ちゃんが思う理由って?」

「普通に嫌なんですよ。先輩、美人で可愛くてそれでいて人当たりも柔らかいし、、何よりは男の理想の全て兼ね備えたとびきりいい女ですから。取られるんじゃないかって心配なんですよ、単純に。でもここ受付は1番人目が着く部署ですから先輩の事が心配で仕方ないんです。」




きっと先輩以外は分かっているだろう津川さんの胸の内を代弁すると、先輩は真っ赤な顔で俯いた。

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