隠れ蓑〜Another story〜


「とにかく駄目ですから諦めてくださいね。」




これ以上揉め事が起こらないようにと念を押すと後ろから親友の声。







「なにが駄目なの?あ、光さんっ、、!お疲れ様です、、。」

「晶帆、お疲れ様。今日も忙しそうだね。でもあの〝嘆願書〟に署名して良かった。、、今もこうして受付に立つ晶帆の姿も見れるしね?」

「そ、その節は大変お世話になりました。光さんを筆頭に社員皆さんの署名まであって驚きました。凄い気を遣って頂き、ありがとうございましたっ、、。」

「何言ってんの?俺は強制なんてしてないよ?それが総意の意見でしょ!皆んな、晶帆に受付にいて欲しいんだから。そうでしょ?莉子ちゃん。だから俺に分厚い書面用紙持ってきたんだよね。」










、、そう。


受付の真美ちゃんが始めた〝晶帆の異動取り消しを願う嘆願書〟を柿本さんに渡した。

だって柿本さんも絶対に賛同してくれると思っていたから。




実際、柿本さんは2、3日の間に凄まじい量の署名を集めて来た。


きっと柿本さんも私達以上に晶帆がここ、受付に残ることを強く望んでいたのだろう。


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