隠れ蓑〜Another story〜
「あ、あの子。いつも独りだよね。いい気味だよ。ちょっと可愛いからってチヤホヤされてさ。あんな地味な暗い感じの子の何処がいいんだろうね。」
隣に立つ同期の受付嬢の視線も私達と同じように彼女に向かった。
女の嫉妬丸出しで吐き出した同期の子の言葉を聞いた圭の眉が動いたのが分かった。
「、、そう?チヤホヤされてる?俺はそうは見えない。」
「え?津川くんっ、、?もしかして津川くんもあんなのに騙されるタイプ?あんなんどう見てもか弱い演技じゃんっ!ねっ!!芹香もそう思うでしょっ、、?!?!」
急に話を振られて、つい本音が漏れる。
「演技ができそうな子には見えないかな、私は。だってマキの言う通り演技だったらもっと上手くやるよ。なんか器用じゃない感じがする。」
「えーっ!?2人とも、超騙されてるでしょ!!だってあの子、最近彼氏できたのに色んなオトコにちょっかい出してるらしいよ!?!?最低じゃない!?!?!?実際、女友達の1人もいないのがいい証拠じゃん!オトコにばっかり愛想振りまいてるからそうなるんじゃん。ホント、いい気味だし。」
表情を歪め冷たく呟くマキを見て、やっぱり女の嫉妬は醜いなっと思わずにはいられなかった。