隠れ蓑〜Another story〜
「晶帆っ!それに津川さん。2人も今帰り?お疲れ様ー。」
「あ!莉子ちゃん探したよ!!!今から時間ある?ううんっ、、時間がなくても直ぐに一緒に行きたいとこがあるの!、、付き合ってくれる?」
「え?まぁ予定はないけど、何処に?」
「うん、駅ナカの光さんの店。〝glitter〟に。」
「、、、え、、。」
久しぶりに聞いた彼の名前。
そんな彼の名前を親友から聞くことになるとは思わなかった。
黒いモヤモヤした感情に支配されて、つい低い声が出てしまう。
「なんで〝glitter〟?晶帆、、もしかして柿本さんから連絡でもあったの?」
「あったよ。新作が出来たからって。今日から駅ナカ店限定でお披露目されてるって。だから莉子ちゃん、一緒に行こう?」
「、、私は行けないよ。晶帆に連絡あったんだから晶帆が行けばいいよ。だ、第一!柿本さんのブランド、確かに可愛いけど私向きじゃないよ。私よりも晶帆に似合うデザインでしょ。前そういう話してたじゃない。」
視線を逸らして言葉を掛けると、終始黙って
いた津川さんが呟いた。