隠れ蓑〜Another story〜


駅ナカに到着するとまた強引に手を握られ、グイグイと引っ張られながら歩く。


文句を言おうと晶帆に視線を向けると、その横顔は真剣そのものであまりの表情に黙り込むしかなかった。






晶帆に引っ張られながら、連れてこられた〝glitter〟


店内は可愛いディスプレイに〝大人可愛い〟というキャッチフレーズを掲げ、その通り大人可愛い洋服達が並んでいる。








こういう服。

私には似合わない。




晶帆に似合いそうな服ばかりで自分みたいな女が来るのは場違いな気がして、俯くとまた手を強く引かれた。

晶帆は可愛い服を通りすぎ、レジ近くに一際大きくディスプレイされているコーナーへと足を進めた。















「、、え、、、これ、、。」






私の驚きと戸惑いに気づいた晶帆は嬉しそうに呟いた。


「莉子ちゃんにとっても似合いそうな服ばっかりだね?それにキャッチフレーズ、、〝可愛さの残る大人カッコいい〟だって。いつも優しくてカッコよくて凛としてる莉子ちゃんみたいに、、素敵な服。さすがカリスマデザイナーだよね。」










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