隠れ蓑〜Another story〜
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「ねぇ、圭ってば病気になったの?それともED?圭がEDとか笑っちゃうんだけど。」
行為が終わり、シャワーを浴びて部屋に戻ると相変わらずタバコを咥えて外を眺めている圭が目に入って声を掛ける。
「あぁ、その噂。俺の耳にも入った。好き勝手言ってくれてるみたいだな。まぁ、、女切るのに丁度いいからあえて否定はしてないけどな。」
「それで、マキがあんなに荒れてる訳ね。入社当時から圭一筋だったから。受け入れられないんだろうけど。」
「本気、、ね。そういうのウザいな。」
自分が言われた訳じゃないのに、胸が締め付けられて呼吸がしにくい。
それでも笑顔を貼り付けて言葉を掛けた。
「そうね。私も本気とかよく分からないタイプだからマキの気持ちは分からないわ。」
「芹香は俺と同じ匂いがするからな。そうだと思った。そろそろ帰るか。」
「そうね。」
そう言って立ち上がった圭に咄嗟に背を向けた。
きっと今、泣きそうな顔をしてる。
こんな顔、見られる訳にはいかない。
感情を隠し続けて、自分の気持ちを偽らないと彼の1番近くにはいられないのだから。