隠れ蓑〜Another story〜
最後まで言葉を聞かずに、受付に向かった。
受付には西村ちゃん、、そして彼の姿を。
何やら会話をしている2人の背後からゆっくり近く。
距離が近づくにつれ、呼吸がうまくできない。
全身から汗が吹き出し、瞬きも出来ない。
それでも一歩、また一歩と距離を縮める。
長い時間を掛けて受付にたどり着き、覚悟を決めて小さく呟いた。
「2人は、、付き合ってるの、、、?」
私の言葉に2人は振り返る。
表情を上手く作れない。
だからからか、西村ちゃんは私の顔を見た途端に驚いた表情をした。
「っ先輩、、?どうされたんですか、、?凄い汗ですよ。体調が悪いんじゃ、、?」
「あ、あぁ。遅刻しそうで走って来たから。それよりも本当なの?2人が付き合いだしたって。」
西村ちゃんに真相を問い詰めると、横から圭が西村ちゃんを庇うように前に出た。
「、、昨日からね。付き合ってる。」
「そ、、う、、なんだ、、、。へ、へぇ〜!意外な組み合わせじゃない?!だって2人って接点なんかあったっけ?」
「それはまぁ色々。取り敢えずそういうことだから。じゃあ外回り行ってくるから晶帆のこと頼むな、芹香。」
柔らかい笑顔で足早に受付を去って行く彼。