隠れ蓑〜Another story〜


定時になり、日報を西村ちゃんに押し付けて会社を出た。



業務中に圭を取り戻す計画を色々と考えた。

来てくれると決まった訳じゃないが、圭のことなら何でも知ってるつもりだから。












ホテルに着いて2時間後、ホテルのドアが開いた。

振り返ると複雑そうな表情を浮かべた彼の姿。




ほらね、絶対に来るって確信してた。

そして彼が何故ここに来たのか理由だって分かってる。








「芹香、、、。」

「圭、待ってた。最近誰にも抱かれてないから欲求不満なの。だから抱いてよ。〝同期のよしみ〟でしょ?」




そう笑顔で言葉を掛けるが、圭はドアから一歩も動かない。

そして真剣な目でこちらを真っ直ぐに見つめようやく口を開いた。










「もう、、終わりにしよう。今日はそれを言いに来た。」


















〝やっぱりね〟


心の中で呟いた。


その事を言いに来ると思ってた。

圭のあんな表情見せられて、直ぐにこの事がよぎった。



< 31 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop