隠れ蓑〜Another story〜
定時になり、日報を西村ちゃんに押し付けて会社を出た。
業務中に圭を取り戻す計画を色々と考えた。
来てくれると決まった訳じゃないが、圭のことなら何でも知ってるつもりだから。
ホテルに着いて2時間後、ホテルのドアが開いた。
振り返ると複雑そうな表情を浮かべた彼の姿。
ほらね、絶対に来るって確信してた。
そして彼が何故ここに来たのか理由だって分かってる。
「芹香、、、。」
「圭、待ってた。最近誰にも抱かれてないから欲求不満なの。だから抱いてよ。〝同期のよしみ〟でしょ?」
そう笑顔で言葉を掛けるが、圭はドアから一歩も動かない。
そして真剣な目でこちらを真っ直ぐに見つめようやく口を開いた。
「もう、、終わりにしよう。今日はそれを言いに来た。」
〝やっぱりね〟
心の中で呟いた。
その事を言いに来ると思ってた。
圭のあんな表情見せられて、直ぐにこの事がよぎった。