隠れ蓑〜Another story〜
彼とはあくまでも〝偽りの恋人〟
実際には嘘なだけに嫌な汗が流れる。
それでも冷静を装う。
「そ、そうなんだ。そんな噂が。でもなんでそんな噂が、、、?」
「なんでも、、先輩と津川さんが2人で居るところを社内以外で目撃した人間がいないからって理由らしいです。そんなワザワザ見せつけるようにデートとかしないですよね!普通に。本当馬鹿らしい噂ですよ。てか先輩達を目の当たりにしたらそんな噂あり得ないですけどね。だってちょーーーっラブラブですもんねっ!!!」
「ラブラブだなんて。こ、声が大きいよ!?真美ちゃん。すっごい見られてる!!」
「ワザと大きい声で言ってるんですよ。だってこんな馬鹿らしい噂信じてる人が結構居るらしいですから!ねっ!!津川さんっ!!!」
真美ちゃんの視線は、朝一から外回りに行こうといつのまにかロビーに降りてきていた彼へ向かった。
真美ちゃんの声が届いたようで、彼がこちらへ近づいてきた。
「おはよう。山口さん、それに西村さんも。噂ってどんな噂?」
今日も爽やかな彼が、優しく微笑みながら真美ちゃんに声を掛けた。