隠れ蓑〜Another story〜
居酒屋に来て2時間ほど経った所で、圭が呟いた。
「そろそろ帰るか。久しぶりに、、休憩していくか、、?」
その言葉を今か今かと待っていた。
これは彼からの合図。
この合図は毎回掛かる訳じゃない。
彼の気まぐれ。
例え〝セフレ〟という関係だとしても私だけが唯一、彼と何度も肌を重ねることを許された女。
最後に彼に触れたのは1ヶ月前だった。
でも、彼の合図に飛びつきたい気持ちを押し殺して小さく呟いた。
「ん〜、、どうしようかな。、、でも時間も遅いし帰るの面倒くさいね。うん、行こうかな。圭の奢りだったらね?」
「じゃあいつもの所に行くぞ。」
「うん。」
圭が立ち上がってお会計を済ませるのを遠くから見つめる。
顔に出てなかったか、心配だったが圭の様子はいつも通りでホッとした。
彼に興味がないフリをしないと、直ぐにこの関係は終わってしまう。
だから冷静を装うのだ。