隠れ蓑〜Another story〜
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「っ晶帆っ、、、!!!!」
医務室に駆け込み、彼女を探す。
カーテンの向こうに人の気配がして、そちらに足を向ける。
カーテンの中にいた人間も、自分に気づきカーテンから顔を出した。
「、、津川さん、、、。」
そう呟いた女の名前は山下 莉子。
ベットで眠る彼女の同期で、過ごしにくいこの職場で唯一の心の拠り所だろう。
所謂、彼女にとって親友という間柄。
この女も俺同様に彼女を大事に思っている。
そして〝偽りの恋人〟である事を知っている数少ない人間だ。
ゆっくりとベットに横たわる彼女に近づく。
頭や手首に包帯を巻いた彼女は、まるで死んだように眠っている。
「、、怪我の詳細は?」
「頭部を軽く打って、脳震盪を起こしたみたいです。手首は頭を庇って捻ったらしいです。今は痛み止めと鎮静剤を打ってあるので、、よく眠ってます。」
痛々しい頭部に手を伸ばす。
顔色も悪い。