隠れ蓑〜Another story〜


怒りで手が震える。




何故彼女がこんな目に会わなければならいけないのか、、あまりにも理不尽で、、彼女を守れなかった自分の無力さを感じる。





「、、怪我の経緯は?」

「それ、、聞きます?津川さんも察しはついてますよね。ここ最近の噂のこともありましたから。」

『経緯は?』




自分でも驚くほど低い声がでて、山下さんが溜息をついたのが分かった。












「、、書類を経理課まで運んでいたらしいです。量も凄かったそうで、両手も塞がってた状態だったそうです。それで階段を登ってた途中ですれ違いざまに、、、、突き落とされたみたいです、、。幸い、階段の中段くらいの所からの落下で命に別状は無かったですけど、、、これが登り切った所だったらと思ったら、、、っ、、!」




声が震えている山下さんに気にも留めず、更に問いかける。





『相手は?』

「まぁ、、、おおよそ予測はつきます。凄い動揺していた子がいましたから。多分その子かと、、。実際目撃した人間もいるそうですから、間違いは無いと思います。」

『名前は?』

「、、、、経理課の坂尻 玲子だと思います。」






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