恋愛初心者です、お手柔らかに?
なんでこうなったんだろう。

帰り際、更衣室で浜田愛美に絡まれた私は、庇ってくれた倉橋さんにお礼を言って更衣室を出た。

そのまま帰るつもりだったのに、出た所で白石課長に食事に誘われてしまった。

齋藤君に彼女がいると聞かされた私は、そんな状態で齋藤君に会う自信がなかった。

だからって…

「…永山?」

「…え?あ、す、すみません」

「急に誘って悪かったね…、都合悪かったかな?」

「え?そんな事はないです…ちょっと考え事してて…」

目の前には白石課長がいる。
齋藤君に、二人っきりにならないようにと言われていたのに。
でも、あのまま家に帰る気にはなれなかった。

「大阪はどうだったんですか?大変だったんじゃないですか?」

「ん、まぁ、それなりに楽しかったよ。俺としては、早くこっちに帰ってきたかったからね。実績上げるのに必死だったよ」

「そうなんですか?」

「…まぁね」

どうしよう…沈黙が続く。
迷っていたその時だった。

白石課長は、まっすぐ私を見た。

「俺はまだ好きなんだ…その事は伝えたかったんだ。君が一人だったら…」


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