剛力家の三兄弟

あんな小さな子が苦しんで、悲しんでるのに…
あの日以来、雅人君には会ってない。気になって公園の横を通る様にしてるが、雅人君の姿は無い。
剛力三兄弟の話を聞いて納得してくれたのかは、分からないが、このまま何も起こらなければ良い。それに、雅人君の住所も分からない以上、私には彼の胸の内を知るすべもない。

「お〜いお茶!」

おーいって、私はアンタの古女房じゃ無いんだからね!
“お茶煎れて”くらい言え!

昨日今日と、禎憲さんの姿は見てない。どこに行ってるのか?お陰で、そのしわ寄せが私に来て、カフェにでてる時間が多くなってる。今日は既にクタクタなのだ。

「早くお茶!」

「はいはい、お茶ですね?」

「あっ!久し振りに、しいたけ茶が飲みたい!」
明憲は思いついた様にそう言った。

しいたけ茶?
そんなの事務所に有ったっけ?

「明憲さん、しいたけ茶なんて有りませんよ?」

「じゃ、買って来て!」

「じゃ、お金下さい!」

「取り敢えず、出しといて?」

「絶対、後で下さいよ?」

殆どお金の無い真奈美は、お茶葉代すら、自腹では出したく無いのだ。

「しいたけ茶は、スーパーのじゃなくて、駅前の皇后園のな!」

「は?」

「俺の口には、スーパーのは合わんから!」

普段、スーパーの安いお茶飲んでるくせに、何が口に合わんだ!
それに、スーパーにしいたけ茶が売ってるのすら、私は知らんかったわ!

それに皇后園って…
遠いし、絶対高いでしょ⁉︎
お金足りるかな…?




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