剛力家の三兄弟
「えっ?憲剛さん、私、婚約者がいるなんて聞いてませんわよ?」
「あー言おう言おうと、思ってたんだけどね?中々言い出せなくて…まさか君が本気になるなんて思わなかったから?」
え?
この人何言ってるの?
本気になるとは思わなかった…?
じゃ、なんで付き合ったの?
お前クズだな?
真奈美は首を傾げ上げ、隣に立つ憲剛へ、冷ややかな目を向ける。
だが、憲剛は、それをも利用した。
「大丈夫、僕が好きなのは真奈美だけだよ」と、真奈美を見つめて囁き、頬へキスをした。
うわっキモ!
「それは、私と別れると言うことですか?」
女性は彼を “酷い人” だと言って泣き出してしまった。
真奈美達は彼女の向かいの席にすわり、バックからハンカチ取り出し彼女へと差し出した。
私も分かります!
悔しいですよね?
運命の人だと思っていたのに、こんな仕打ち…
でも、この人あなたの他にも沢山お付き合いしてる人が居るみたいですから、諦めて他に良い人見つけた方が良いですよ?
だが、真奈美の気持ちなど知らない彼女は、ハンカチを差し出した真奈美の手を払い、鬼の様な顔相で真奈美を睨んだ。
「こんな女の何処が良いのよ?」
え…?
頭から爪の先まで綺麗に整え、高価そうな服を纏って、何処かのお嬢様かと思っていたが、あまりの変貌に驚かされる。
「こんな何処でも居そうな女!女の中でも下の下じゃない!憲剛さん、目を覚まして下さい。お母様のお知り合いの娘さんかも知れませんが、私と結婚した方が貴方は出世しますのよ?」
「申し訳無い。僕は出世には興味ありません。そんなものより彼女との愛を僕は選びます。」
「酷い!」
『バッシャン!』