剛力家の三兄弟
「ユリさんお待たせしました。時間大丈夫ですか?」
いつも、ランチの終わったこの時間は、禎憲が仕入れに出かける。
禎憲が出掛けても、店にはユリと、エミの二人のアルバイトが居る為、真奈美は二階の事務所で、雑用と電話番をしている。
だが、今日の仕込みの際、ユリから、今日は用がある為、早退すると聞いていた。
ユリが早退するとカフェにはエミだけになり、人手が足りなくなってしまう。その為、真奈美はカフェに下りて来たのだ。
「え?・・あーうん。大丈夫。実は予定なくなったの…」
「え?そうなんですか?」
じゃ、私は必要ないか…
ランチの過ぎた時間に3人は必要無いだろうと、真奈美は二階の事務所へ戻ろうとした。
その時エミが、“あっ!” と、声を上げた。
「折角だし、ユリさん、マスターの買い出しについて行ったらどうですか?今後の為にも、良いと思いません?ねぇ、マスター」
買い出しのリストを書いていた禎憲へ、エミが提案する。
「今後の為か・・?」
「真奈美さん、二階の事務所は、大丈夫なんですよね?」
「え?うん。明憲さんには言ってきたし、電話の切り替えもしてきたから、問題無いけど?」
「じゃ、そうしましょうよ!ユリさんもその方が良いと思いますよね?」
「そ、そうねぇ」
禎憲は少し考えたが、“今後の事” と、言われると、その方が良いだろうと思い、ユリを連れて二人で買い出しへと出かけて行った。