剛力家の三兄弟

「ユリさん、上手くいくと良いけど…?」

「え?」

「真奈美さん気付いて無いんですか?
ユリさん、マスターの事が好きなんですよ。
もう何年も前から」

「え?そうなの?」
そうだったんだ…
全然気付かなかった。
私ってそんなに鈍感なのかなぁ…

「だから、協力してあげてくださいね?
ちなみに、私の事も宜しくお願いします」

エミから聞かされた禎憲へのユリの想いに少なからずショックを受けた様で、真奈美は動揺してグラスを落としてしまった。

「真奈美さん大丈夫ですか?」

「大丈夫、ちょっと手がすべっただけ…」

なに動揺してるんだろう…
え?

「もしかして、ユリさんの用事って、初めから無かったの?」

「まぁそういう事です!ユリさんも、25ですからね?そろそろ勝負に出ないと、いけないじゃ無いですか?」

エミの話だと、ユリが大学2年の時、たまたま、店に客として来て、禎憲に一目惚れしたらしいと言う。
その時、ちょうどスタッフを募集していたので、そのまま雇ってくれる様に禎憲に頼んだと、前にユリに聞いたと、エミは話した。

「ユリさん、就職もしないで、ずっとアルバイトしてるんですよ?マスターの為に!」

禎憲さんの為…?
違うんじゃ無いかな…
ユリさんの為でしょ?
禎憲さんの側に居たい自分の為でしょ?

「もしかして、真奈美さんマスターの事好きですか?」

首を振る真奈美に、エミは、“良かった” と、言い、“じゃ、明憲さんの事は?” と、聞く。

「私、二人に恋愛感情なんて無いから」

「良かったです。じゃ、協力お願いして大丈夫ですよね?」

キューピット役や橋渡し的な事は、ゴメンだが…
「・・まぁ私に出来る事なら」




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