剛力家の三兄弟
店番をして、1時間が経った頃、禎憲とユリが帰って来た。
だが、真奈美はそれに気づく事なく、バタバタと店の中を動き回っていた。
えっと…1番テーブルはホットコーヒーと、紅茶、それからタマゴサンド。
それから、5番テーブルはコーヒーとナポリタン。
後、カレーと、クリームソーダにコーラー…あっ違う、レモンスカッシュだ。
それから、えーと後は…
注文受けた物を、どの順番で作れば良いか頭の中で整理して、調理場でフライパンに油を注ぐ。
「熱っ!」
「大丈夫か!?」
居るはずのない禎憲が、真奈美の腕を掴み、火傷した手を水道水で冷やしてくれる。
「えっ?禎憲さん、帰ってたんですか?」
「ああ、エミはどうした?」
「えーと・・」
「明憲の所か?」
30分程前、エミは明憲にコーヒーを差し入れしてくると行ったきり、未だに帰って来てないのだ。
「あっそれより、注文!」
禎憲は深い溜息をつき、ユリに空いてるテーブルの食器を下げさせ、自分は注文の入ってるナポリタンと、タマゴサンドを作り始めた。
真奈美は、“すいません” と謝り、注文の入ってる飲み物を用意した。