剛力家の三兄弟

真奈美の説得もあり、なんとかユリ達の事は禎憲、明憲にも許してもらう事が出来、真奈美はホッとしていた。
だが、ホッとしたのもつかの間だった。
助けた礼をユリ達に言われた際、真奈美が、明憲はカカオマスアレルギーだと、エミ達に教えた事で、真奈美は二人から、恨みを買ってしまったのだ。

「真奈美さん、どうして教えてくれなかったんですか?」

「え?」

「明憲さんが、カカオアレルギーって教えてくれてたら、私、チョコソースなんてかけなかった!これで明憲さんに嫌われたら、真奈美さんのせいですからね!」

「ぇ、えっ⁉︎」

「だってそうでしょ⁉︎
教えてくれてれば、私もユリさんもマスターに怒られる事なかったし、明憲さんにだって…」
エミは、また泣き出してしまった。

「でも、店にはココアもチョコも置いてないから…」

「え?ココアもダメなんですか?」

え?
そこから…?

「チョコレートとココアの原料は同じカカオ豆で、作られる工程の途中までは同じで、カカオマスから、ココアバターを取り出した残りが、ココアなんです。
そして、カカオマスにココアバターなどを更に加えたものが、チョコレートです」

「へぇーそうなの?」

「まだ、カカオマスアレルギーが知られてない時、ティラミスを食べた女性が、恋人にキスして殺してしまった。って事件があったらしいです」

「えっ怖っ!」

「小麦や乳製品、卵などのアレルギーは聞かれた事あると思いますが、カカオだけじゃなくて、キュウイや、バナナ、トマトなどのアレルギーを持ってる人もいます。重度の人は少しでも命に関わるんです。だから、禎憲さんは、明憲さんの為にチョコもココアもお店に置いて無いです」

「誤って、明憲さんの口に入らない為に?」

「だと、思います」

あの人達(三兄弟)は他の兄弟より、兄弟愛が強い。
きっと、幼い頃から互いを愛し尊敬しあって来たんだと思う。

「だったら、余計教えて欲しかった!
私、真奈美さんの事やっぱり許せないです!」

エミちゃんの気持ち、わからなくも無いけど…
でも…明憲さんの思ってるところは、そこじゃ無いのよ…





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