剛力家の三兄弟

「その件について弁護士である、私、明憲から説明させていただきます。
今回の事件については、既にカフェ店主である禎憲と手を打っており、明日にでも解決させます。

出来ましたら、場所を変えて改めて審議して頂きたいと思いますが、皆さんのご都合はいかがでしょうか?」

態々場所を変えてまだする必要ある?
どこであろうと、結果が同じなら、早く終わらせてほしい。

「あの…もう私としては、何も言うことありませんので、この場で終わらせて頂けますか?
明日は、不動産屋の人と部屋を見に行くことになってますので・・」

「却下します!」
と、言ったのは、裁判長の当主では無く法子だった。

やはり、剛力家の実質の支配者は、法子の様だ。

「却下って…
私は自分の意思を持っちゃいけないんですか?
自分の考えで行動しちゃいけないんですか⁉︎」

「静粛に!」

「静粛にって・・ここは裁判所じゃない!」

真奈美の訴えは、残念ながら取り上げられず、そのまま、審議は続けられた。

「では、法子次の審議内容を」

「はい。以前の審議内容の期日を残り半月を切っりましたが、真奈美さんから、状況確認をして頂きたいと思います」

状況確認って…
何も答えるようなものは無い。

「真奈美さん、今の時点の経過を説明して下さい」

「特に有りません」

「原告、今のを聞いて何か有りますか?」

「はい。私の方からいくつか質問させて下さい。」

法子は真奈美を真っ直ぐ見て、三人の息子をどう思うか、率直に答える様にと言った。





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