わたしを光へ。
「じゃあ最初は素直に花那に想いがあったということ?」
「まあ…少し邪な感情はあったけど、花那のことを好きになれればなって、思った」
「だけど私の、妹だった…」
加賀くんの瞳が切なげに歪む。
「こんな最悪な出会い方あるのかって、誰にもなく恨んだよ。俺はそのとき美月の名前すら初めて知ったんだ。やっと、憧れていた人と知り合えたのに…」
あの場で加賀くんはそんな葛藤をしていたんだ。
初めから誰も悪くなかった。
それぞれの想いが、タイミングが、執着心が。
全てを狂わせた。
「気付けば美月に口付けていて、もうどうにでもなれってあんな脅すような真似して無理矢理…」