わたしを光へ。
加賀くんが親指に力を入れる。
苦しくて顔を上げる私を、加賀くんは恍惚とした表情で見ていた。
「分かったっ、言うから…」
咽ぶように言葉を吐き出すと、パッと手を離す。
変わりに携帯を突き出してきた。
震える手で、それを受け取る。
呼び出し音が静かな部屋に響いた。
お願いだから出ないで…。
そんな祈りも虚しく、五コール目で洸は出た。
「美月、家に着いた?」
電話の向こうの洸は、いつもの声。
いざその声を前にするとさっき迄の決意なんて呆気なく散った。
中々返事をしない私に洸が怪しみ出す。
怯えた目で目の前の加賀くんを見ると、頭に手を乗せられる。