先生-美海-
「美海おつか〜♪」
ゆかのテンションの高い声が私を迎える。
「ゆか達早かったね?」
私はそう言いながら瀬戸に受け取ったお金を渡した


リップサービスではもらったお金をわたして
その月に稼いだ3分の1が私たちに支払われる仕組みになっている。


私達がたわいのない話をしていると
「ほらもぅ遅いぞ。早くかえれ」


瀬戸が言った。

「はぁーい」
3人で声をあわせて返事をして事務所をあとにした



外にでると
「あんねー今日クラブでイベントあるらしーよ♪」

ゆかが行きたいと言わんばかりに
舞を見つめている

「で?」
舞はからかうように返事をした

「ねぇ?美海はいくよね?」

ゆかは私に助けを求めるように問いかけた


特に用はないのだが
仕事後で少し疲れていたのでいく気分にはなれなかった


「ごめんー今日はパスっ」
私が顔の前で手をあわせて答えると


ゆかは少し悲しそうな顔をして
「そっかぁ…」
と下を向いた


そのようすを見ていた舞が
「仕方ないなぁ…付き合ってやるか♪」


その言葉にまいの表情はぱぁっと元に戻り
舞にだきついて
「やったぁ♪舞すきぃー」


「本当調子ぃぃなぁ」

舞は笑いながら言った。

その様子をみて私も笑ってしまった



「じゃぁバイバイ!次は美海も一緒に行こうね♪」

「うん。明日ね」



マフラーで顔半分を覆ってコ-トのポケットに手を突っ込んで家路を急いだ



家について鍵を開けるといつも通り真っ暗


リビングに向かうと
一枚のお札と
「これで夕飯をすませてください。」
母からの置き手紙がおいてあった

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