無愛想な同期の甘やかな恋情
「陣中見舞いに、ジェラート買ってきたの。研究員の皆さんと、食べて」


そう言いながら事務所の中に足を進めて、持ってきた紙袋を彼女に手渡す。


「わあ、ありがとうございます! 穂高さん、ジェラート好きだから、きっと喜びますよー」


私から紙袋を受け取り、そのロゴを確認した彼女が、無邪気な歓声をあげた。
それを聞いて、ほんの少しだけ胸がチクッと痛む。


「……やっぱりみんな、知ってるんだ」

「え?」


ボソッとした独り言を拾われてしまい、私は慌てて首を横に振って誤魔化した。


「ううん、なんでもない」


三年もコンビを組んでるのに、私がこの情報を知ったのは、実はつい最近のこと。
こんなところでも、穂高君と私の間の壁をまざまざと感じてしまう。


「……? あ、それじゃ、奥のソファにどうぞ。穂高さんが来たら、ジェラートお出ししますね」


彼女はきょとんとしてから、特に気にする様子もなく、私を促してくれた。
古い冷蔵庫に歩いていく彼女に、ありがとうとお礼を言って、私もソファに向かう。


一応、簡易応接やミーティングに使われるスペースだけど、ソファやローテーブルはかなり古い。
私はちょこんと腰を下ろして、なんとなく事務所を見渡した。
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