無愛想な同期の甘やかな恋情
「これからは、お互いの魔法使いじゃなくて、パートナー。その方が、ずっと素敵だ」


彼が、目元を綻ばせた。
嬉しそうな笑顔に、私の胸はきゅんとして、やっぱりときめいてしまう。


「さて。じゃあ、美紅をエスコートするのに恥ずかしくないよう、上着取りに行くか」


歩武君は目を細めてふふっと笑ってから、私から腕を離した。
まだドキドキと激しく鼓動を加速させる私を置いて、さっさと廊下を歩いていってしまうけど……。


「……もう」


鏡を見なくてもわかる。
私の顔は、にやけてふやけているはずだ。


コンビでも相棒でも、魔法使いでもない。
私と歩武君は、社内一、最高のパートナー。
その言葉が、優しく温かく胸に刻まれる。


今、歩武君のたった一人の存在でいられることが、とてもくすぐったくて、だけどすごく嬉しくて幸せで――。


「待って、歩武君!」


私の呼びかけに、彼はその場に立ち止まり、大きく手を差し伸べてくれる。


「おいで、美紅」


私は、弾かれたように床を蹴って、彼に向かって走り出した。


広い背中。
大きな温かい手。


私の夢を叶えて、幸せをもたらしてくれた魔法使いは――。
私のこれからの人生で、たった一人の、大切な人になった。
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