無愛想な同期の甘やかな恋情
いつもなら、『迷惑かけてごめんなさい』とすぐに謝ることができたはず。
なのに私は、ムカッとしてしまった。
やっぱり、自分で思う以上に酔っていて、もうまともな思考回路が働いていないのかもしれない。


私はむうっと唇を尖らせて、担がれている腕をブンと振り回した。
ずっと穂高君に掴まれていた腕は感覚がなくて、力の加減がわからない。
まるで、私がいきなり暴挙に走り、反乱を起こしたようになってしまう。


「うわっ」


穂高君が短い声をあげて、バランスを崩した。
私の全体重を一身に背負っていた彼は、体勢を保つことができず、私たちは一緒に道路に崩れ込んでしまった。


「っ……おいっ! 冴島! お前、いきなり暴れるなよっ」


アスファルトにドスンと尻餅をついた穂高君が、顔をしかめながら上擦った声を張り上げた。
私の視界の中で、彼の姿がグラグラと揺れる。
なんだか車酔いしたみたいで、上下左右の感覚が覚束なくなり、私は彼から目を逸らした。
そして、地面についた手をギュッと握りしめる。


「ほっといて」

「え?」

「迷惑なんでしょ? もう、ほっといて」


聞き返されて、同じ言葉を繰り返す私に、穂高君が無言で視線を向けている。
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