無愛想な同期の甘やかな恋情
すぐ目の前にいた穂高君は、一瞬ギクッとした後、目を丸くして私を見ている。


「穂高君は、いつもつれない! 素っ気なすぎるの!!」


日頃の鬱憤が、こんな時に膨れ上がってしまった。
ビシッと人差し指を突きつけて睨む私に、彼が「は?」と怯む。


「私たち、ただの『コンビ』じゃないよね!? 同期だし、私はもっと仲良くしたいのに……穂高君は、いつも私との間に壁を作る!!」


ここぞとばかりに声を張って言い切ると、穂高君が「はあ?」と語尾を上げた。


「いつも一緒に仕事してるチームのメンバーが、飲み会で隣合わせになっただけで、話題にして冷やかすくらい。私と穂高君には、高い高い壁があって」

「………」


穂高君は無言で、私からスッと目を逸らした。
その、逃げるような仕草にも、私は一度グッと唾を飲んだ。


「私たちがコンビになったのは、絶対運命だもん。もっと、心を開いてよ」


私は焦らされた気分になって、彼のネクタイを掴んでぐいと引っ張った。
穂高君が、「うっ」と小さく呻く。


「冴島、苦しい。離せ」

「約束してくれたら、離す!」


頬を膨らませて、彼が折れるのを待っていると。


「……仲良くって、どのレベル?」


穂高君が、頭をガシガシ掻きながら聞き返してきた。
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