無愛想な同期の甘やかな恋情
最初に通った企画にアドバイスをもらって以来、私は穂高君とチームになったから、間中さんとは仕事での関わりはなかった。
仕事の用件がないから、いつも研究室に詰めている彼とは、ラボでも顔を合わせることはほとんどない。


間中さんに会えるのは、ごくたまに社食で偶然だったり、商品企画部・研究開発部の合同飲み会の席くらい。
それが、ここ二回続けて偶然が重なり、私の胸はドキッと弾んだ。
そのまま、ウキウキしてしまいそうになる。
それが顔に出るのを避けるために、胸をぎゅうっと押さえて、彼に笑顔を向けた。


「穂高君から、製品の調整したから、意見欲しいって連絡をもらって」


間中さんは顎を撫でながら目線を宙に上げ、「ああ」と相槌を打った。


「新製品の実験の合間に、根詰めてやってたアレか」

「え?」


思わず聞き返した私に、彼は肩を竦めてクスッと笑う。


「この一週間、毎日午前帰りで取り組んでたよ。早いね。もう結果出たのか。さすが歩武」

「い、一週間も、午前帰りですか!?」


今日も泊まりと言ってたのに。
私はギョッと目を剥いて、ひっくり返った声で聞き返してしまった。
私の反応がおかしかったのか、間中さんはクスクスと声に出して笑う。
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