Reality~偽りの歌姫~《完》
ージュリアが退院する日

荷物をまとめるのを手伝う和樹の姿があった。

この二人は、意外と上手くやっているようだ。



ジュリアは毎日和樹をからかって楽しんでいるようで、笑顔を見せることが増えた。

和樹のほうは、少々疲れ気味だ……



ジュリアの荷物を抱えて歩く和樹を呼び止めた。

「和樹、どうした?
彼女が退院するのに、元気ないぞ」



「それがさ……」

和樹は伏し目がちに、小声で答えた。
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