涙の数より空(キミ)が笑ってくれるなら。
はっっ。
「っおま、なに泣かせてんだよ」
えぇっ
「どした?リョウタになんかされた?大丈夫か」
うあぁぁそんな一気に話しかけないで……
「ばか、俺じゃなくておまえらだろっ男三人にそんな見下されてたらこわくて食えないわっ」
「あ。そっか」
「ごめんねっ」
「すまん」
またりょうたに助けられた。
ふと隣に目をやると、りょうたは柔らかく目を細めて両手を合わせる。
「青笑さんごめんね」
「バカだけどね、すっげぇいいやつらだから」
――うん。分かるよ。
悪い人たちだなんて初めて見た時から思ってない。
ただ眩しくて。
「うん。……いいなあ」
空なに言ってんだろ。
だめだ。今日涙腺も感情もおかしい。
「仲間っていいなあって」
「かっこいい。……って思っただけ」
こういう人達こそ、真のイケメンなんだ、って。
「……かわぃ、」
「はっ、ばかおまえ、むっつりすけべ」
「カエンはこういう子が好きなんだな!」
「声がでかいんだよ、バカッ」
「あイテっ」
なに言ってんのか知んないけど、三人がわちゃわちゃしているのを見て、ふっと笑みが溢れる。
こういうの、懐かしい。
「えと、青笑さん?だっけ」