星と太陽に魔法の歌を



僕はゆっくりと目を覚ました。僕たちはいつの間にか横になっている。

「……これで信じてくれた?」

美影の祖母が僕たちに向かって微笑む。僕たちはゆっくりとうなずいた。

「…みーくんも影光の力を引き継いているんだよ。英太くんが居た時はその能力は制御されていたんだけどね」

美影の祖母の話に、僕たちは首を傾げた。

「本来、その力を引き継ぐのは1人なんだ。でも、双子になった影響でその力が分裂して宿った。みーくんが良く霊に取り憑かれるのは、依代の力に関係していると思う……私も良く分からないけど」

美影の祖母は、お茶を飲むとまた話を続けた。

「で、英太くんが命を落とした時にみーくんの体の中に入り込んで本来の力に戻ろうとしたが、上手く行かずに英太くんの魂は奥底で眠りについた。…みーくんが英太くんを成仏させた時に…みーくんが影光から受け継いだ力を完全に使えるようになったってこと」

「なるほど…」

「みーくん。その依代の力を使いこなしなさい。でないと、その力が暴走し、ありとあらゆる悪霊を体に取り込むことになるから……影光曰く、依代の力で悪霊を取り込んだ時の目は、深い青色から美しい青色に変わるらしいから」

僕は、美影の祖母の話を聞いて身震いをした。

…ありとあらゆる悪霊を取り込む、か。そうしたら、自我を失って暴走することになる……。

「わ、分かった…僕、その力を使いこなせるようになる」
< 74 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop