恋する耳たぶ
どことなく不安そうな表情で薄赤く頬を染めているのは、思わずこぼしてしまった一言が恥ずかしいのだろう。
ああもう、かわいいなあ。
お姉さん、きゅんきゅんしてしまうよ。
「なんでニヤニヤしてるんですか」
拗ねたように言われて、自分の変態性の一部が漏れていたことに気づく。
あぶない、あぶない。
真凡ちゃんは、まあ、私の、ちょっと人とは変わった所を知っている数少ない人物だけれども。
仕事中、同僚相手に変態的好意をむき出しにするのは良くないだろう。
「もう。紬未さん、なんかヤだ」
ぷい、と本格的に拗ねた感じにそっぽを向く真凡ちゃんの頬はもうかなり赤くなっていて、恥ずかしさでいっぱいなのが丸わかりだ。
「もー、真凡ちゃんってば、かわいいー!」
ツンデレとはこのことか、と、そっぽを向いた真凡ちゃんの背中にもたれかかるようにしてじゃれつくと、彼女は猫のように毛を逆立てて声を上げた。
「ちょっ、なんですか、急に!」
「真凡ちゃんのそういうとこ、本当かわいい」
「昼間っから、そのモード出さないでくださいよ」
「だって、かわいいんだもーん」
「くっつかないでくださいって!」
「あはははは」