恋のはじまりは突然に
「全然わかんねぇ」

あれ、ちょっとまた機嫌が悪くなってる……?ねぇ、私が悪いの?

顔あっち向けて外見ちゃってさ、少しはこっちの気持ちも分かってよ……。

「蓮司さんの……バカ」

車内ではラジオがかかっていたから、聞こえない程度に独り言を呟いたのに。

「聞こえてんぞ」
「っ、」

それは聞こえてたみたいで、私は好きな人に直接バカと言ってしまった。

「悪いのは、蓮司さんだもん……私じゃないもん!」
「理由が分かんないって言っただけで、なんで俺が悪いんだよ」

蓮司さんは大人だから本気で怒ってるわけじゃない。

声や空気でそれは感じるけど……。素直に理由言ったら、優しくしてくれるのかな。
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