恋のはじまりは突然に
「あのさ、この後も俺とまだ一緒にいてくれんなら、食事しないか?」
「蓮司さんと、食事したいです」
「良かった。一応予約してたから、断られたらどうしようかと思った」
「あっ、ごめんなさい……私が泣いたりするから……」

何やってんだ私。予約時間やら、お店までの距離とか色々調べて逆算して家まで迎えにきてくれたのかもしれないのに、私のせいで絶対予約時間過ぎちゃってる……。

「気にすんな。店の時間より、お前の気持ちのほうが大事だろ?」

私の気持ちのほうが大事って……本当にこの人は優しいんだから……。

「蓮司さん、ありがとう。ここから遠いですか?」
「いや、歩いて5分くらいじゃないか?」
「じゃあ急ぎましょう!」

お店は逃げないけど、蓮司さんの気持ちが嬉しくて、もう子供のように蓮司さんを急かした。

すると蓮司さんがクスッと笑ったから、なんだろう?と思って彼のほうを見上げた。

「いや、悪い。自分から手を繋いだりするのは平気なのかと思ってさ」
「え?手?……わぁっ!ごめんなさいっ!!」

完全、無意識だ……蓮司さんのこと言えないじゃん。

本当恥ずかしい……自己中で変なやつだって思われたよね、絶対……。
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