ノンフィクションにご注意を
そしてリビングに戻って来て、リビングの隅にある木製の引き戸を開けた。


引き戸の先には広さ8畳程の和室があり、仏壇が置いてある。


「―――ただいま、母さん」


仏壇に飾られた写真の30代前半位の女性は、オレの母親だ。


母さんはオレが6歳の時、交通事故で亡くなった。


記憶は曖昧な所とハッキリしている所がゴチャ混ぜだけど、優しくて大らかな女性だった。


『アレはランドセルって言うの。礼於ももっと大きくなったらあのお兄ちゃん達と同じの背負って、小学校っていう所に行くんだよ。お母さん楽しみだな、礼於のランドセル姿見るの!』
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